高密度テスラ磁気刺激システム(HITS)
当院において高密度テスラ磁気刺激システム(HITS)を導入しました。
最大2.5テスラの高強度磁気刺激を骨盤底筋に与えることで、強力な筋収縮を繰り返させ、これによって短時間で筋力増強(骨盤底筋を鍛える)を行います。
また、仙骨神経叢と陰部神経叢を同時に刺激するため、神経変調法の効果により膀胱の不随意収縮(急な強い尿意・切迫感)を抑えます(骨盤神経を整える)。
さらに、こうした磁気効果により骨盤内の微小血流の改善効果が証明されており、骨盤内の血流うっ滞・虚血が改善されます(骨盤内の血流改善)。
こうしたことから以下の疾患の改善に寄与します。
- 腹圧性尿失禁
- 切迫性尿失禁
- 過活動膀胱
- 軽度の骨盤臓器脱
- 慢性前立腺炎(骨盤・陰部の違和感)
- 前立腺全適後の尿失禁(軽度の場合)
- 前立腺肥大症手術後の尿失禁
- 便失禁
- 勃起不全(ED)
- 産後のリハビリテーション
など
- この治療は経済産業省
-
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の助成を受け、
- 事業名称
- 尿失禁患者に対する磁気刺激治療の提供事業
として申請し、採択されたものです。
ただし、この治療器は日本では医療機器として薬事承認されていません。従って、治療の際に問題が発生した場合に医薬品副作用被害救済制度等の救済の対象にはなりません。何かあった際には当院で対応させていただきます。
従来の治療法
- 行動療法
-
生活指導:水分摂取時間・摂取量
膀胱訓練:我慢排尿
骨盤底筋訓練(Pelvic floor muscle training):改善度50-60% →習得・継続困難
- 薬物療法
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抗コリン薬、β3アドレナリン受容体作動薬、ED治療薬など
- 神経変調法(Neuromodulation)
-
低強度磁気刺激治療:
腹圧性尿失禁;治癒率29-53%、有効率86-94%
切迫性尿失禁;治癒率20-25%、有効率50-85%
→保険適応あり一定の効果あるが、適応が限定的で施設基準も厳しく普及少ない電気刺激治療:ウロマスター:干渉低周波治療・・・以前より当院でも採用・・効果今ひとつ
後脛骨神経刺激療法:保険未収載・やや侵襲あり
- 手術療法
-
ボツリヌス注入療法:切迫性尿失禁
仙骨神経電気刺激法(sacral nerve stimulation:SNS):切迫性尿失禁 →埋め込み式ペースメーカー
スリング手術 Tension-free vaginal tape (TVT)/Trans obturator tape (TOT):腹圧性尿失禁 →経腟手術
より低侵襲で、簡便で、効果が高く、適応の広い治療 という意味でこの強度磁気治療機は非常に有意義なものと思われます。
1つのデバイス、複数のソリューション
スターフォーマー®は、筋肉強化のためのフォトナの最新のイノベーションです。
この革新的技術は、筋肉の収縮を刺激するためにパルス磁気エネルギーを利用します。
注意点
- 磁気を使用するため(MRI撮影時と同様)スマホやタブレット、金属類は外してください。
- 磁気に触れてはいけないもの、振動などの刺激で悪化する状態のものには施行不可です。
- クレジットカードなども使用不能になる恐れがあります。
次の方は実施できません。
- 妊娠中・進行性の癌・てんかん・完全な筋肉挫滅・活動性肺疾患・子宮内膜症・開放創
- 心臓不整脈・直近の手術歴・心臓ペースメーカー・投薬ポンプ・強磁性金属で作られたインプラント
- 埋め込み式補聴器を装着中
※入れ墨で覆われた領域の治療は避けてください。
不明な場合は医師・スタッフにお尋ねください。
料金
保険収載されていない治療です。
- 治療は1回20-30分、週2回 計8回を1コースとして行うことが効果的とされています。
- 時間をおいて2コース目を行うことも有用で、以後は1か月に1回程度維持療法として治療することが推奨されています。
- 当院では1回 6,000円(プラス税)とします。
- 1コース(8回)申し込みの方は 5万円(税込み)とします。
インティマウエーブの2つの効果
Sai U&D Clinic
スターフォーマー® インティマウェーブ®
Sai U&D Clinic
磁気刺激による血流改善(ラット)
Okano H, Ohkubo C: Elevated plasma nitric oxide metabolites in hypertension: synergistic vasodepressor effects of a static magnetic field and nicardipine in spontaneously hypertensive rats, Clin Hemorheol Microcirc, 34(1-2), pp. 303-308, 2006.